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2006年11月 読書ノート
最終更新日:2006/11/12

 ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。

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メンタルヘルス・マネジメント検定試験公式テキスト Ⅲ種 セルフケアコース
大阪商工会議所(中央経済社)

 大阪商工会議所が主催するメンタルヘルスケア・マネジメント検定試験の公式テキスト。僕自身は、近年の企業活動においてメンタルヘルスケアは非常に重要な課題となっているという認識が強い。が、実際には、メンタルヘルスについて考えること自体が、後ろ向きなことで、よくないことであるという世間の風潮があると思う。このような検定試験などで、メンタルヘルスの認知度を高めることは大変重要な事だと思う。人事部門の担当者や、ラインの管理職には、このような検定試験に合格することを昇格要件にするくらいの対応は必須だと思う
 ビジネスの世界では、リスクに対応するためのコンティンジェンシー・プランなどを用意したりすることが多い。しかし、人のメンタルヘルスの問題に関しては、話題に上げるのをさけているのか、語られる事がほとんど無い。このメンタルヘルスの検定試験の実施などが、このような状況に一石を投じる事になればよいと、僕は思う。
 この本に掲載されていた情報で、原因は不明だが朝食をきちんと食べる習慣のある人は鬱になりにくいのだとか。原因不明だというのが非科学的だが、原因不明だということを明示した上で書かれているので問題はない。と同時に、この分野は、まだまだ研究が進んでいない分野なのだなと感じた。
日付:2006/11/12


外資系コンサルの真実 マッキンゼーとボスコン
北村慶(東洋経済新報社)

 何故に、コンサルでなく、外資系コンサルというテーマにしてあるのかなぁ。と思って読んでみたのだが、要するにマッキンゼーとボスコン(ボストン・コンサルティング・グループ)をテーマにしているからということのようだ。この本の構成は、大企業だけでなく政府機関などを含めてコンサルティングを受けて意志決定を行うようになっているという現代の状況から、日本におけるマッキンゼーとボスコンの競争、コンサルタントの考え方(ロジックツリー、MECE、フレームワーク)、コンサルの問題点について触れられている。
 この本の結論を言ってしまうと、安易にコンサルに依頼するのは問題が多いから、コンサルを使う立場の人はコンサルの問題点をきちんと把握した上で、うまく使っていきましょうという事だと思う。その問題点が現実のものとなったわかりやすい例として、米国AT&Tの例が上げられている。5年で5億ドル(500億円強)近いコンサルティング料を払っていながら、業績が回復しなかったという事例である。コンサルティングファームは、社会的に何の成果も上げずに多額の利益を上げたということになる。コンサルティングファームとしては報告書をAT&Tに納めた正当な報酬と主張することは可能だが、高額の報酬を得ながら世間の役に立たなかったということは疑いようのない事実である。
 コンサル自体はビジネスなので、当然コンサルティングファームの利益を最優先する。クライアントは、そのことをしっかり理解した上で、コンサルを利用する必要がある。この本には、それ以外にもクライアントから得た知識を、抽象化しているとは言え、他のクライアントに展開してしまうと言う問題も上げられている。
 コンサルに対して、盲目的に好意的な本が多い中、というよりもコンサルタントやコンサルタント上がりの人が書いている本が多いのが実態かもしれないが、よい主張を行っている本だと思った。
日付:2006/11/12


日本版SOX法入門 金融商品取引法における内部統制
齋藤愼、日本版SOX法研究会(同友館)

 最近、巷でよく耳にするSOX法(サーベンス・オクスリー法)。大体どういうことなのかは知っていたが、このような本を読んだのは初めて。この本の構成は、米国でSOX法が整備された背景と各国の取り組み、内部統制とは何か、日本版SOX法(金融商品取引法)とは何か、内部統制整備の取り組み、IT部門の取り組みについて述べられている。この本を特徴付けているのは、最後のIT部門の取り組みについて詳しく述べられている点のようだ。
 この本では最初に、「内部統制の強化」と「監査人の独立と行動規範の厳格化」のための法律ということで、米国ではエンロン社の破綻をきっかけに整備された法律ということ述べられている。そのような背景からSOX法は、株主や証券会社の利益のための法律という側面が強い。この本でも、SOX法に対応する内部統制のために法外な費用がかかるという事が述べられている。株主や証券会社の利益のために企業が莫大な費用を投じて内部統制の仕組みを作ることは馬鹿げているという考え方もできる。しかし、この本では後ろ向きにならずに内部統制の仕組みを作る過程で、その企業の業務が効率的になるように見直しましょう。そして投じた費用以上の効果(効率化によるコスト削減)を上げましょうという主張がなされている。
 この本でかかれている業務の整理の仕方などの実務的な部分は、とても参考にはなる。が、現場主義・顧客本位が根強い日本の企業では、トップダウン式のSOX法対応の内部統制の仕組み作りの中で、効果を上げるというのはなかなか難しいのではないかなと思う。この本でもトップの決断が大事だと述べられているのだが、現場の抵抗以上に、トップやスタッフの覚悟やスキルという面で、この本の主張を形にするのは難しいことなのではないかなと感じた。
日付:2006/11/06




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