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2005年12月 読書ノート最終更新日:2005/12/29
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
荒削りだが勢いがあって面白い作品というのが、読み終わった第一の印象。西暦3000年の世界の設定で、王様の思いつきで、全国の「佐藤」さんを追いかけ回して皆殺しにするという虐殺計画−リアル鬼ごっこ−が実行される。突拍子もない設定と、リアル鬼ごっこで追いかけ回される迫力とスピード感から目が離せない。とても面白い作品だと思う。
ただ冒頭にも書いたとおり、荒削りだという印象は強い。特に感じたのは、西暦3000年という設定を置いているにもかかわらず、主人公が生活している環境があまりにも現在と差がなく違和感があること。と言うよりも、未来という設定を置くことにほとんど意味が無いように感じた。
解説にもあるがこの作品が自費出版という世界から登場したこと、作者もほとんど作品を読まないということ。これがまだ荒削りでありながら世の中に出てきた理由。近頃は、秘密本(サザエさんの秘密、ドラえもんの秘密のようなあら探しの本)が流行した影響もあり、出版業界には完成度優先が傾向が強いような印象を受ける。一読者としては、荒削りでも面白い作品を読みたいと素直に思う。荒削りだが、この作品は純粋に面白いと思う。
日付:2005/12/29
情報システムに関わる者であれば必ず読んでおいた方が良い、というのが読み終わった感想。情報化白書2005では、企業・暮らし・行政でのITの利活用、EC、ITインフラ、セキュリティ、法制度が取り上げられている。企業におけるITの利活用では、部門内での情報システムはよく活用されているが、企業全体や企業間に視点を移すとまだまだ有効に活用されていないということが示されている。セキュリティでは、フィッシングが日本でも大きな問題となる可能性が高いことが示されている。法制度については、個人情報保護法とe文書法がメインテーマになっている。他にも様々なテーマが取り上げられている。
結構分厚い本で読むのも大変だが、この一冊でITの今を概観できる。毎日、新聞や雑誌を読んで情報収集につとめていれば、読む必要が無いような内容なのかもしれないが、このような白書で、ITの今を広く捉えることは大変重要なことではないかと思う。僕自身は、情報システムが部門内ではよく活用されており、企業全体や企業間での活用はまだまだという状況を、何となく感じていたが、この本で改めて認識された。このことは仕事をする上で、意識しておくべきことだと思う。今を整理して眺めることが、本当に大切だと認識させられた一冊。
日付:2005/12/24
NTT改革宮津純一郎(NTT出版)
元NTT社長の宮津純一郎氏の著書。NTTグループや、グループの各社が今後どのようにビジネスを展開して行こうと考えているか、今までどのようにビジネスを進めてきたかが描かれている。実際には、NTTと言う会社は民間企業とは言え、そのビジネスの進め方は国の意向に大きく左右される。この著書は、NTTの考え方を一人でも多くの人に理解してもらうために書かれた本という見方もできる。ただこの本は、純粋に日本の通信の歴史や将来像を知るための本として読んで十分に面白い本だと思う。
NTTのトップの人事は、事務畑・技術畑のたすきがけで行われているというのは有名な話だが、宮津純一郎氏は技術畑の人である。なので、通信の技術をきちんと知っていると言うこともあり、ビジネスの駆け引きという事よりも、技術の進歩の歴史や、技術が作る未来像などに視点があるような印象を持った。僕自身、通信というものは、人と人とを繋ぐ技術として、人の心を豊かにするポテンシャルを持った夢のある技術だと思っている。NTTという会社には、是非通信の未来を切り開いて行って欲しいと思う。もちろんNTT以外の会社にも頑張って欲しい。(この本のテーマは、あくまでNTTのビジネスということがテーマだが)
日付:2005/12/13
ITに詳しくないビジネスマン向けに書かれた、ITをビジネスに生かすための知っておきたいITの知識をまとめた本。上手く説明できないが、一言で言えばそのような本だと思う。著者はシステム屋ではあるが、ITに関連しないビジネスマンにとっても非常に読みやすい本にまとまっていると思う。本文中にITの用語も出てくるが、わからなくてもこの本の主張を理解するには支障は無いと思われる。また、僕自身がSEと言う職であることもあり、興味深く読むことができた。
冒頭の経営会議の意志決定プロセスで、販売や生産に関する意志決定はロジカルに行われているが、ITに関する意志決定は曖昧に(と言うか、システム担当者に丸投げで)行われていると言う様子が紹介されている。世間でこのような意志決定のされ方が一般的かどうか間では検証できないが、その後に続くシステム投資への値下げ圧力などの話題を見る限り、自分自信の経験から、ある程度信憑性があるのかなと言う印象を持った。このような話題など、ビジネスの話題からITが捉えられているのは非常に、ITの活用という観点から良い視点だと感じた。
その他には、業務標準化、会社合併におけるシステムコスト、システムのコスト、ICタグ、グリッドコンピューティング、セキュリティ、コラボレーションなどが取り上げられている。
日付:2005/12/11
優良企業と言われることの多い「花王」。他の企業と比較して、花王がどのように異なるのかということは、僕自身ほとんど知らなかった。最近では「へルシア緑茶」のような独創的な商品の開発力があると言うイメージが強い。しかしこの本では、商品の開発力ではなく流通コラボレーション戦略、小売業との連携を花王の強さ・特徴として取り上げている。
花王が取り扱うような雑貨を販売するためには、小売業が(雑貨以外の食料品なども含めて)良い売り場を作らなければならない。消費者が、雑貨のみを求めてスーパーなどに来ることはあまり無いので、他の売り場も含めて活気がなければならない。よって、小売業の売り場作りを花王が一緒になって取り組む必要がある。そのような考え方に基づいて、花王が積極的に小売業をサポートしていく姿がこの本に描かれている。特に、小売業との結びつきを強くするための販社制度の特色が強調されている。
そもそも花王が販社制度を採用した理由は適正価格を守るためという事だが、消費者の目にはメーカーのエゴにしか写らない。花王の販社制度が成功している理由は、消費者に近づくという意味で小売業をサポートすることができたからなのではないだろうかと言う感想を持った。この本では販社制度をとっているということが強調されているが、単に販社を持つだけではメーカー都合の価格操作の道具となるだけで、消費者の利益や企業の発展には繋がらないと思う。情報システムなどをうまく活用した小売業のサポートにここまで力を入れることができた理由は、販社制度ではなく顧客視点をしっかり持った経営ができていたことではないかな。という印象を持った。
日付:2005/12/05
SEである僕自身が属する情報システム業界。今まで読んだ、様々な業界本と比較すると新しい知識を得られたという面は、非常に少なかった。ただ、よく知っているだけに、今まで自分があまり詳しくなかった部分が合ったということを認識しやすかった。SEとしてのステップアップ(プログラマ→SE→プロジェクトマネージャorコンサルタント)や、IT系の資格などはよく知っているが、中堅のIT企業の得意分野などははっきり言ってほとんど知らなかった。ただこの本でも、さらっとふれられている程度で詳しく調べる必要があれば、別の情報を探す必要があるように思われる。
実際にこの本を読んでみて、自分が属する業界の業界本というものを読んでみる意味というのは、正直あまり大きくないような気もする。しかし、知っておくべきことが漏れていないかをチェックすると言う意味では一度読んでおいても損はないような気もした。ほとんど知っていることなので、読む時間もあまりがかからないことだし。
日付:2005/12/03
NTT批判本である。NTTのように公的な性質を持つ民間企業はよく批判の対象として取り上げられるが、この本も例に漏れずと言う感じがする。NTTが現在のような形になった理由や、族議員の主張などが取り上げられており、NTT批判の典型的な形を理解することができたように思う。
NTTが通信業界で独占的な地位を持っていることや、新電電がなかなかシェアをとることができないという事実があり、それによって通信業界の発展に問題があることも事実だとは思う。しかし、NTT批判の主張の一例としてある、JRのようにNTTを地域別に分割すればよい主張は乱暴だと思う。現在の収益構造を考えると、NTT東では接続料の値下げができる、NTT西でも接続料を上げる必要はない、という主張も無理がある。東海・近畿よりも、東北・北海道の方が料金が安くなるという事が競争の原理に乗っ取っているといえるのだろうか。それが通信サービスの利用者の利益に繋がるのだろうか。
この本を読んでいると、結局、NTT批判をしている人たちも利用者の事を考えていないように思われる。利用者や国民にとって何が利益なのかを考えて、問題解決に対する提言をして欲しいものだと感じた。
日付:2005/12/01
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