|
2005年08月 読書ノート最終更新日:2005/08/29
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
[新版]MBAアカウンティンググロービス・マネジメント・インスティテュート(ダイヤモンド社)
会計の本ではあるが、簿記のような会計の仕組みが書かれた本ではなく、経営の視点から会計をとらえた本。例えば、財務諸表(B/S、P/L、キャッシュフロー計算書)をみて、その企業がどのような特徴を持っているのか、どのような考え方でビジネスを遂行しているのかを把握するためには何を見ればよいかが書かれていたりする。簿記の場合は、資産・資本・負債を算出するためにどのように積み上げていくかを学ぶことから考えれば、対照的だ。ただ、基本的な簿記の知識はあった方が理解しやすいとは感じた。改めてだが、やはり簿記もきちんと勉強しておこうと感じた。
ところで、この本には先ほど書いたような、財務諸表を外から見ると言う事だけではなく。後半は管理会計、企業の運営に生かすための会計、について記されている。損益分岐点分析、ABC(活動基準原価計算)などの解説がされているが、それぞれのツールの仕組みだけでなく、そのツールを適用する際について注意すべき点(そのツールが表せる限界点や、そのツールを重視しすぎた場合に発生しがちな問題点)などがきちんと抑えられているところは、実ビジネスに役立てることが意識されている。ただ、僕自身の読み終わった後の感想は、まだまだ使いこなせないだろうなと言う感じ。特に、バランストスコアカードについては、ほとんど理解できていない。
日付:2005/08/29
「きゅうり」に妙にウケた。誰の仕業なのかというよりも、どうして「きゅうり」なのかということを、真剣に考えているあたりが、非常に馬鹿らしくてよい。いろいろな面で一巻目と同じ雰囲気の作品で読者を裏切らず、上手く型にはまっている印象を受けた。
表紙のイラストを見てもわかるかも知れないが、1巻では妹の小百合を、2巻では兄の一弥をメインに据えて物語が展開されている。小人のパウエルは主に、1巻では小百合の部屋で、2巻では一弥の学校で、行動する。1巻と2巻で、メインとする場面を変えることで、無理なく(1巻では登場しなかった)新キャラクタを加えることに成功している。ただ感じたのは、せっかく様々な場面で小人が登場しているので、もっと小人から見た巨人の世界を描写した方が、より物語に臨場感が出るのではないかと言うこと。
日付:2005/08/25
「身も蓋もないことを言うな」という結末かも知れない。人は狭い常識にとらわれていて、その常識に意味があるかどうかを振り返らない。この小説がそのようなメッセージを意図しているか否かはわからない。この小説は、メルヘンチックでおとぼけな感じの物語と説明すればよいのだろうか。読みやすい作品で、「勢いで押してるなぁ」と言うような感じも無く、落ち着いて読める作品だった。
物語の内容は題名の通り、「こびと」の話。こびとが人間(こびとから見ると巨人)の世界に来て、一緒に生活を送るというもの。こびとや巨人というのは、ガリバー旅行記の例を挙げるまでもなく物語には良くある設定である。ふとこの物語の中身を振り返ってみると、人間からこびとと言う視点で小ささを表現している部分は多い反面、こびとから人間という視点で大きさを表現している部分が少なかったような気がする。そういった表現の差が、おとぼけな感じを生み出しているのかも知れないと感じた。巨人の大きさを強く表現しすぎると、のんびりとした空気にはならないはずだから。
日付:2005/08/24
ITは、ビジネスにおいて、電気・水道・ガスなどと同じように、必需品となった(コモディティ化した)。ITによって革新を起こして他の企業との差別化を行うことはできない。と言う主張が行われている本。この本の主張で最も誤解を招きそうな部分はITと言う用語の意味。この本では、「情報をデジタルの形で保存、処理、伝達する目的で使われるあらゆる技術」と定義し、具体的には、コンピュータ、ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアなどを指している。
この本の主張をまとめると『ITはビジネスのインフラとなっており、どの企業にも必要なものである。電気・水道・ガスの供給を他の企業と異なる方法で行うことで差別化することが困難であるように、ITによって差別化することも困難となっている。インフラは独自調達するよりも、標準的なものを世間で共有する方が効率が良い。ITの場合でも標準的なものを使用する方が効率が良く、独自性で差別化しようすると逆に効率が悪くなる。』という事になると思う。先に定義したITが、すべての面においてコモディティ化しているか否かは疑問が残るが、この主張にはおおむね納得できる。特に、「支出を抑える」「先頭に立たずに、後からついて行く」「革新はリスクが小さい時に行う」「チャンスより脆弱性に注目する」と言うIT投資のガイドラインには非常に納得できる。
この本は、「ハーバード・ビジネス・レビュー」2003年5月号に掲載された論文「IT Doesn't Matter」を発展させたもので、原題は「Does IT Matter?」。IT業界で話題になっている本なので読んでみた。この本の内容にはIT業界からの反論が多いようだが、この本ではITを上手に活用することで差別化ができると言うことは否定していない。しかしそれでも反論があるのは、IT投資が盲目的に行われてきたのと同じように、この本の主張を良く理解せずに、IT投資の削減を盲目的に行う経営者が出現するのでは無いかという懸念からではないだろうか。
ただし、この本の内容を理解したとしても、ITの何に投資することが差別化に繋がるかを知ることは難しいと思う。
日付:2005/08/21
MBAクリティカル・シンキンググロービス・マネジメント・インスティテュート(ダイヤモンド社)
ビジネスにおける考え方の教科書。演繹・帰納的思考、因果関係、構造的アプローチなどの手法が演習問題を交えながら解説されている。MBAマネジメント・ブックが解説ばかりであったのに対して、こちらの本は読みながらいろいろと考える練習をすることができるように構成されており、興味深く読み進める事ができた。
考え方の本というと自己啓発書のような本が思い浮かぶけれど、この本はそのような本とは一線を画していると思う。考え方が科学的・論理的であることに注意しながら、かつビジネスのスピードに対応できるように(本質を落とさないように気をつけながら)妥協する必要があることが書かれている。自己啓発書などにはなかなか存在しない発想だと思う。
この本をすべて読んでみたけれど、練習問題やケースについては、ざっと読み進めてしまった感があるので、もう一度じっくりと読んでみたいと思う。また、この本で紹介されていた「考える技術・書く技術」(バーバラ・ミント著)、「問題解決プロフェッショナル」(齋藤嘉則著)も機会を見つけて読んでみたい。
日付:2005/08/18
MBA(Master of Business Administration、経営管理学修士)の基礎知識を一冊の本に凝縮したというような感じ。経営戦略、マーケティング、アカウンティング、ファイナンス、人・組織、IT、ゲーム理論・交渉術のテーマで整理されている。本の内容自体は、テーマ毎に延々と解説されているだけで、退屈といえば退屈な本。広く浅い感じの内容。
今までそれなりの数の経営学の本を読んできたと思うけれど、時々、このような全体的に概観した本を読んでみると自分が特に弱い分野というのが明らかになる。経営戦略、人・組織などは比較的知っていることが多かったが、交渉術となると結構知らない内容が多い(囚人のジレンマくらい有名なものは知っているとしても)。交渉術という分野は中小企業診断士や経営学検定ではあまり扱われていない分野でもあり、あまり日本では一般的では無いのかも知れないが、この本でそ知識を読んでみて、ビジネスの世界で有効に応用できるかもしれないな、と感じた。
日付:2005/08/14
「パックス・ブリタニカ」「パックス・アメリカーナ」「パックス・ジャポニカ」。世界の戦略商品を抑えた国が英国、米国、日本と移り変わって行った歴史について概観されている。第一次産業革命は英国で、第二次産業革命は米国で起こる。第一次産業革命は中小企業、第二次産業革命は大企業が注目を浴びる。日本が世界の戦略商品を抑えた時代は、多品種中量生産に対応することがキーとなった時代。多品種中量生産は、顧客のニーズにあった生産を行うことが必要になった時代で、トヨタ自動車が例に挙げられている。
「パックス・ジャポニカ」の時代以降には、国を超えた国際競争の時代に突入していき、日本企業の凋落が顕著にあわれてくる。この本ではその原因の一つを、日本企業が得意とする特許分野について見ている。日本企業は製品の製法に関する特許は得意だが、製品自身についての特許、発明は得意としない。特にソフトウェアの分野では製法はあまり問題にならず、製品自身の特許・権利が企業の競争の源泉になるという見方をしている。僕自身、ソフトウェアの専門家から見ると必ずしもこの見方には同意できない。この本が記された時代にはソフトウェアの品質が問題になることがあまり多くなかったのかも知れないが、ソフトウェアの製法は世界的に見てもまだまだ発展途上で未熟であり、ソフトウェアの製法に戦略的に取り組むことで(品質・価格の両面で)企業が競争力を発揮することはできる。ソフトウェアの製品自身の権利が有力であった時代もあったが、むしろ現在はソフトウェア品質と価格競争力に焦点が移っている。また、このような分野は日本企業が得意とする分野でもあり、現在は日本企業にとって大きなチャンスなのではないかとさえ思う。
日付:2005/08/11
前著「顧客リレーションシップへの挑戦 『コールセンター』のすべて −企画から運用まで−」と、多くの部分が重複する内容。この続編の方が若干新しいテーマを扱っているかな、という感じがした。特に、「第�V章 Webコンタクトセンターの構築」の、電子メールを使用したコンタクトセンターについては、前著でも取り上げられていたが、この本では更に多くのページを割いて取り上げられている。この部分で、電話と電子メールのブレンド・オペレーションについても述べられている部分に関心を持った。電話のみのコンタクトセンターでは、コールが多いときにはインバウンドにオペレータを割り当て、コールが少ないときにはアウトバウンドにオペレータを割り当てるという運用が考えられる。しかし、電話と電子メールのブレンド・オペレーションを行うと、コールが多いときには電話のオペレーション、少ないときには電子メールのオペレーションという様にオペレータを割り当てる事ができる。対応にある程度のタイムラグが許される電子メールの特性を利用した上手で、効率の良い運営方法だと感じた。
前著の時も感じたが、この本でもやはり内容がちょっと古いなという印象を持った。2001年という4年も前に書かれた本なので当然とも言える。ただ、4年前に既に、先ほどの電話と電子メールのブレンド・オペレーションなどが取り上げられていたという事を考えると、先進的な本だったのだと感心する。
日付:2005/08/10
現代の経営(下)P・F・ドラッカー(ダイヤモンド社)
「現代の経営」、下巻では「マネジメントの組織構造」「人と仕事のマネジメント」「経営管理者であることの意味」が取り上げられている。
「マネジメントの組織構造」では、企業の規模が拡大するにつれて経営管理者のなすべき仕事が変わってくる。そして、それにあわせた組織構造を持たねばならないという事が示されている。
「人と仕事のマネジメント」では、人は自分の意志で仕事をしていかなければならないという事が示されている。人的資源が他の資源と異なる事は意志を持って居るという事であり、経営管理者と呼ばれる役職の人でなくとも、すべての従業員が管理の視点でビジネスを遂行する形が健全であると言うことを主張している。
「経営管理者であることの意味」では、現代のビジネス環境では、経営管理者と呼ばれる役職の人の責任は大きいが権限が無いという状態になっている事を指摘している。現場管理者は、人事権などはスタッフ部門に取り上げられているが、部下の育成には責任を持たなければならないような状態である。これでは経営管理者が健全にその責務を果たせないという事を主張している。
というのが、僕が大まかに理解した点。この本は、図などは一切無く、事例や主張などの文章でひたすら説明がなされている。内容は非常に興味深いのだが、一通り読んだ後に整理してやらなければ、十分に理解できないのではないかという印象がある。ここに示した私の理解では不十分や誤解があるような気がするので、機会を見つけてもう一度読み返したいと思った。
日付:2005/08/08
銀行、生損保、ノンバンク、証券などの金融業界動向の解説本。僕自身、金融業界といえば、馴染みのある業界といえば馴染みがあるが、実際のところよくわかっていない業界というイメージがある。銀行での決済などは、日々の生活の中で常に行っているものだが、金融に関する用語などはいまいちよくわかっていない。この本でも、そういった金融の用語は登場してくるが、ニュースで聞いたことがあるような言葉が多く、難解な印象は無かった。
現在の銀行の苦境の状態を生んだ背景について、20年前から振り返って書かれている。バブルの崩壊、住専問題、ゼロ金利、メガバンク再編など、良く耳にした言葉が並んでいるが、僕がそれらの問題を(何が問題かを)きちんとわかっていたかというと、ほとんどわかっていなかったという事を認識させられた。そして、これらの問題の関連性についても、それぞれ説明されており、現在の銀行の状態というものをある程度理解する事ができたと思う。
生保、ノンバンク(カード会社、信販、消費者金融)については、ここの業界の動向もあるが、やはり銀行との関係という点に重きをおいて説明されていた。それ以外の業界でもだが、金融業界で銀行が特に大きな影響力を持っているということを改めて認識させられたような気がする。
証券については、個人投資家の株式投資が中々根付かないという問題が取り上げられていた。株価の低迷や、証券会社の企業努力が足りないという点が指摘されていた。しかし僕が思うのは、株式などによる資産運用には関心はあるものの、株価の変動、投資対象の企業の情報を収集したりするゆとりが無いというのが、個人投資家の本音ではないだろうか?
日付:2005/08/02
品質管理の基本がわかりやすく解説されている本。日経文庫のビジュアルシリーズは非常にわかりやすいので、それぞれの分野の初学者には是非おすすめしたい。この「品質管理の基本」では、品質管理の基本(PDCAなど)から、ISO9000シリーズ、問題解決の進め方、QC7つ道具、新QC7つ道具、統計手法が解説されている。この1冊で、品質管理を実践できるかというと難しいとは思うが基本を知る上では十分だと思う。
この本で取り上げられている品質管理は、工場で製品を生産する場合の品質管理である。しかし僕自身、工場での手法はソフトウェアの品質管理にも応用できるのではないだろうかという考えがあったので、この本で上げられているような品質管理の手法を学んでみようと思い、この本を手に取った。このような入門の書籍を一冊読み終えたからといってすぐに結論が出るわけではないが、ソフトウェアの場合でも同様の手法がかなり適用できるのでは無いかなと言う印象を持った。特に、問題解決のステップとして「問題の把握」→「原因の追及」→「解決策の立案」という3段階をとるという考え方などは、品質管理の枠を超えて、問題解決が必要となる世界には一般的に適用できる考え方である。
また、この本を読むまで全く知らなかった事に新QC7つ道具がある。これは「連関図」「系統図」「マトリックス図」「PDPC」「アローダイアグラム」「親和図」「マトリックスデータ解析」の7つだが、QC7つ道具が定量的な問題を取り扱うのに対して、こちらは定性的な問題を取り扱うということ。これらのツールの使いこなしまでは、この本では網羅できていないので、またこれらの道具について深く記された情報を見つけて取り組んでみようと思う。
日付:2005/08/01
|
|
|
|