|
1997年04月 読書ノート最終更新日:1997/04/30
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
栗本薫の作は初めて読んだが、こんな作品を書いて居るんだなと思った。なかなか暗いというか怪しい感じの世界観で、僕は非常に楽しめた。「羽根の折れた天使」は、鬼のような内面を持った子供が描かれていて、それに親が恐怖しているという感じだった。しかしその子を育てたのは、その親な分けで、親の背中を見て子供は育つんだなって考えると、その恐怖はさらに倍増するのでは無かろうか。「真夜中の切裂きジャック」は、この短編集の中では長い方で、じっくりと世界に入って行けた。しかし、わかりやすい世界観なのに、なんだかその世界に入っていくのには抵抗があった。きっと栗本薫の世界になれていなかったからだろう。全作品通して思ったが、大きな落ちはなく何となく狂気に満ちて終わっていく話ばかりだと感じた。
日付:1997/04/30
いよいよ、銀英伝も半分を読み終えた。この巻は、ヤンとラインハルトの直接対決があって、大きな山場を持った巻だ。この話の中を読み進めてきて、ヤンにもラインハルトにも思い入れがあったので、どちらが負けてしまっても寂しいと思って読んでいたが、読み終えたときにはどちらも負けていたので、変な気もするが寂しいながらも満足した。ヤンとラインハルトが、直接話をしているシーンは、何とも言えない雰囲気を持っていた。あれだけの戦争の後なのに、旧友のように話している印象を受けた。
五巻目になって初めて、作者のあとがきという物があった。作者の声が直接聞けるという物はやっぱり面白い物だなと改めて感じた。
日付:1997/04/27
話が進むにつれて、蛍の登場が少なくなってくるような気がする。蛍は本当にヒロインなのかと疑いたくなるほど出てこなくなっていく。どちらかというとステラさんのほうが良く出てきて話に関与しているように思える。しかし、話によく関与しているのはステラでも、円の心理に良く関与しているのは蛍なんだと思うと、やっぱり蛍がヒロインなんだと思う。心の中で、ヒロインというのもなかなかロマンティックで面白いと思う。
この巻では結局大きな展開はなくて、ただ円達の新ファミリーの完成が起こっただけだった。円と蛍の進展はまだ無いようで、最終的にどうなるのか楽しみだ。この話の世界がどうなるかよりも、楽しみにしているかも知れない。
日付:1997/04/21
この話に出て来たロウというキャラは、カイルロッドのイルダーナフのように全てを知っている人物のように感じた。けれど、読み進めていくとそうでもないように思えた。どちらにしても、何かを知っているような感じはするけれど。この話の始まり方は、他の冴木忍の作と違って静かな始まり方をしたので最初違和感があったけれど、すぐにいつもの冴木忍のペースになったので、サクサクと読み進めることができた。ところで、主人公ハルギの恋愛シーンが最初の巻から出てきたというのは、いつもの冴木パターンではない、この恋愛の感情がこのあとの話にどんな風に表れてくるのかが楽しみだ。
日付:1997/04/20
さすがに有名な作品だけあって、面白かった。1971年という古い作品なので、その時代を感じさせる所もたくさんあって、面白かった面もあった。全体的に暗い感じのする作品だった。しかし暗いと言っても闇を感じさせる暗さと言った感じで、僕の創作のようにただ絶望感を感じさせると言った感じではなかったので、読み進める時に重さというのではなくて神秘的なものを感じることができた。ところで、犬神明というキャラは、最初は暴力と言うか人との関わりを避けていたが、青鹿を愛する事を期に、人と関わり暴力に目覚めていった。人を愛すると言うことは同時に、人との闘争・暴力を生み出すことなのだろうかと、考えてみると寂しい。しかし、これが的を得ている面も確かにあると思う。
日付:1997/04/18
結局この巻になっても、蛍に家族が異世界へ去ったことを言えなかった円。この話のヒロインは蛍だって事を忘れそうになってしまうほど、円は、小雪やコスギたちに振り回されている。そんなことは振り切って、蛍の元へ行けばいいのに。と、思うけれどそれができない人間である。そんな所は、僕にもあるけれど、だからいい奴でもあり愚かでもある。でも、結局は振り回されていることを言い訳にして、蛍に言わなければならない事を言っていない。という感じでずるずると進んでいるのが、円の心の中なのではないだろうか。
日付:1997/04/15
初めこの話を読んでいる時は、恋愛叙事詩だと思っていなかった。しかし読み進めていく内に、親子の対話の中に、嫁をもらう事についてなどが表れてきて、だんだん恋愛の話につながってきた。この話は、ヘルマンを中心に描かれていて、ドロテーアがあまり出てこない。最後の土壇場でドロテーアの気持ちが出てきて、ハッピーエンドになる。ヘルマンが、ドロテーアに対して持っている気持ちは、井戸のそばで話しかけるところまでは曖昧だったのが、そこから急激にその気持ちの表現でいっぱいになる。その辺の所が急激すぎる様な気もするが、誰しもが持つような気持ちなので読みにくいと言うことはないだろう。しかし、ドロテーアが告白するまで気持ちを言えなかったヘルマンは愚か者だ。と、自分のことを棚に上げて思ってみたりもした。
日付:1997/04/13
るり子のシーンといい、コスギのシーンといい、性的な描写が多いように感じた巻だった。円がそんなに性的なシーンに触れていると、読み手はあまり主人公に好印象をもてなくなってしまうのではないかと思った。作者は円を、いい奴と描きたいように思えるのに。
この間の展開は、円の新ファミリー構築の第一歩といったところだが、伊福部やコスギはともかく、小雪と蛍というやっかいな二人が残っている。この二人に円がどのようにアプローチしていくか、次の巻が楽しみだ。
日付:1997/04/08
この話で、成美が想像していると思っていたくますけというぬいぐるみが、最終的に本当に生きて行動しているもののように描かれている。そこは恐怖感を感じさせられる部分だが、なぜかあっさり読み進めてしまってそんな恐怖は感じなかった。どちらかというと、成美自身が夢の中で、両親の悪霊?に恐怖を感じていたシーンの方が怖かった。僕は、夢の中と限定されていた方が無限に恐怖がわき上がって恐怖が増すと思う。現実といわれれば、小説であっても恐怖は有限のものに感じる。
新井素子の作品は初めて読むが、なんだか違和感のある文章の書き方だと感じた。読みにくいとは思わなかったけど。
日付:1997/04/06
この話に出てくる主人公のセシルの考えていることが、アンヌの影響で揺れていって結局何を考えていたのか分からなくなってしまっている。そんな少女の、複雑な感じの心情の変化が描かれていた。それを読み進めて、「そんなものだろうな、人の考えって」と感じ妙に納得して、この小説の少女の迷いの様な行為を、自然に受け止めていた。しかし、セシルのやってる事って結構ひどいことが多いなぁとも感じた。それと気になったことに、なんだか訳が直訳っぽくて読みにくいなぁと感じた。しかし、それが気になったのは前半だけで、後半はサクサクと読み進めていて気にはならなかった。
日付:1997/04/04
最終的に翔香と若松が、結ばれるのだろうという結末は予想通りだった。面白い本だったと思うけど、その反面展開が読めすぎる本だったとも思う。展開が読める本だから、サクサクと読めて楽しく感じたのかも知れない。上巻では若松の冷たい所が僕にそっくりだと感じたけれど、それ以外の面はほとんど似てないんだなぁ、と感じて下巻では上巻の時と違った感じで若松を見ていたと思う。最後の所の「あとがきがわりに」では、作者の遊び心が読めて面白かった。しかし付け足しにして遊ぶにしても、もう少し上手く遊べないものかなぁと感じた。
日付:1997/04/03
この巻はその名の通り策謀に満ちた展開だった。今までは同盟と帝国の戦いがメインで、その影でほくそ笑むフェザーンといった感じの展開だったが、ここでは一変してフェザーンが前面に現れて、それを介しての同盟と帝国の戦いが描かれている。しかし全10巻の内、4巻の段階でここまで帝国有利の体勢が出来上がってしまっていては、10巻迄続かないのではないのだろうか。といった不安を感じてしまった。それとも、最終巻近くになると同盟対帝国の構図が崩れていった話の展開になるのだろうか。という感じで、次の巻への期待は膨らんでいった。
日付:1997/04/02
|
|
|
|