|
1997年03月 読書ノート最終更新日:1997/03/29
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
第三巻は、この三集のなかでもとりわけ訳の分からない話が多かった。短い話が多かったので、訳の分からないまま終わってしまったのが多かったのだろうか。それならもう一度読んでみれば分かるかも知れないので、もう一度読んでみるつもりにしている。
この中の話で、「フリーダーとカーターリースヒェン」という話があったが、この中に出てくるカーターリースヒェンという女性は非常に馬鹿だ。しかしここまで馬鹿だと可愛く感じてしまうのは何故なのだろう。僕は基本的に馬鹿な女は嫌いなんだけどね。
日付:1997/03/29
この話に出てくる若松君というキャラクターは中学・高校時代の僕にそっくりでとっても冷たい奴なので、翔香が若松君に対して言う言いぐさが、ちょっと僕の耳にいたかった。
初めに読んでいて、時間旅行をするというありがちな話だと感じたが、結構新鮮な感じで読むことができた。その理由は、この話の時間旅行というものが新鮮な形であったという事よりも、若松君と翔香のやりとりが面白かったという部分が大部分だったと思うけど。本の装丁を見たときは、かなりラブコメ調の話かなと思ったが、読んでみるとそうでもなかった。これからどんどんそんな方向に進んでいきそうだけど。
日付:1997/03/29
この巻では、イゼルローン回廊における帝国と同盟の一進一退が描かれ続けられていただけで結局変化がなかったというのは文中にもある通りだが、もっとヤン・ウェンリーに言わすのなら歴史なんて結局同様のことが繰り返されるだけで変化のないものだと言いそうなものだと感じた。ここに来て、ユリアンがその頭角を現してきた。今まだユリアンというのは能力がありそうではあるが、話し安らぎを与えるために存在したような人物だった。それが、戦略の鬼と化していくのは寂しいような感じも受けたが、その戦略部分がこの話の面白さの大きな位置を占めているという事実があって複雑な感じを受ける。しかし、この巻の後半部に来てユリアンの安らぎを与える部分がかいま見れたので安心したという面もあった。今までの巻にも言えることだが、最後の部分で次の巻への不安をかき立てている部分が上手いなと感じる。
日付:1997/03/28
銀英伝を読んでいる中に読んだ本なので、田中芳樹はこんなのも書いてるんだなと感じた。銀英伝とえらく趣の違った話だと感じたけど、結構キャラクタの持っている個性なんかは同じ雰囲気を持っているなって感じもした。本屋で見た時から感じていたが、そんなに肩肘張らず楽に読めそうだなって思っていたけど、それ以上の楽さがあった。漫画読んでるみたいで面白い本だった。しかし、この薬師寺涼子というキャラクタの横暴な性格は読んでいて非常に面白くて惹かれた。こんな事を言ってられるのは、僕が泉田準一郎ではないからだろうか。
日付:1997/03/28
1巻と比べるといまいち面白味に欠けたかなと感じた。しかし、童話に出てくるいわゆるいい人っていうのは、確かにいい人なんだろうけど、無茶苦茶な人間が多いなと感じた。「漁夫とその妻の話」は、最後には妻が神になりたい等と言い出すなかなか豪快な話だったが、最後に元の生活に戻ってしまうって言うのは、甘い話だと感じた。普通だったら、こんな欲望に狂った人間はもとより酷い生活になってしまうという落ちが付くのではないかと思ったが、所詮一時の夢でしかないものなんだねって考えるとそんな結末になるのかなって感じもした。
日付:1997/03/25
ついに完結してしまった。全9巻で現れた様々な人物が、様々な形で現れてまさに最終巻といった感じだった。カイルロッドが「あの方の一部」に立ち向かい、消えていった。予想していたが期待していなかった展開だった。その後のメディーナの行動は、「あぁそうか!」といった感じの行動だった。そうやって生まれてきた小さなカイルロッド、イルダーナフから数えれば第3のカイルロッド、が幼い頃のカイルロッドのように元気に駆け回る姿がうれしく思えた。そして、その小さなカイルロッドがセリを好きと言った。僕は、このセリというキャラクタがこの物語の中で一番好きだったので、なんだか嬉しかった。
日付:1997/03/23
童話集は初めて読んだと思う。23本の様々な童話があった。この集全体の感想としては、惨めや素直なものが幸福になっていく話が多かったなぁという感想と、ずるい者が幸福になる話も結構あったなぁ、という相反する感じの物が共存しているという感じがした。後はやはりというか訳の解らない話も多かった。その中でも、僕のお気に入りは「三人の怠け者」だろうか。何故こんな話なのかも解らないし、登場人物が何考えているかも解らない。三人目の「首をしめてもらったほうがいい」と言う王子も変だが、それを認める王様も変。でもこの話の、短さと気違いさが僕はとっても好きだ。
日付:1997/03/23
この巻では、帝国と同盟の内乱が交互に描かれていたが、その戦略などの面白さよりも、ラインハルトとキルヒアイスの音のない衝突が一番心に残るものだった。ラインハルトの行動にキルヒアイスが批判して衝突したことや、その後のラインハルトの決断のミスによってキルヒアイスを失うことになってしまった事の描写が読んでいる中で苦痛にすら思えた。その苦しさから解放させたものが、戦略面の面白さであったことに気付いて、自分って結構残酷な奴なんだなぁと感じた。その心理を一番感じているのが、この物語の中のヤン・ウェンリーというキャラクタなのだろう。
日付:1997/03/22
この巻では、フェルハーン大神殿から第二の神殿に移動する準備とその移動の始まりが描かれていたわけだが、このペースでいって次の巻で本当に完結するのだろうかといった作者だけがすればいいような不安を抱いてしまった。
この話の中で愛の様々な形に関して述べられていた。愛の美しい面と醜い意面と表現されていた。そしてアクディス・レヴィは美しい面を追求しようとしていた。僕はどうなのだろうかと考えてみた。考えずに結論を出すと美しい面を追求すると言ってしまうだろう。しかし考えてみると、どちらを追求しようとしているのか解らなくなってしまう。物語がクライマックスに向かう中の登場人物達の心の中を読んでいる合間にこんな事を考えてみた。
日付:1997/03/22
フェルハーン大神殿のあたりだけが舞台となったこの巻だった。今までが、冒険中心だったので、この巻の展開には今までとちがう違和感のようなものを感じた。町の中が舞台のファンタジー小説というと、シティーアドベンチャーかなといった感じもするが、ウルト・ヒケウという術者の登場や、イルダーナフが大神官であるという事実が明らかになるなど、伏線が明らかになって物語のクライマックスへの準備と言った感じを受けた。しかし、準備と言っても事務的で面白味に欠けると言った感じはなく、ウルト・ヒケウの登場シーンは奇抜で面白かった。イルダーナフの正体が明らかになるシーンはもう一ひねり欲しかったかなぁという感じがした。
日付:1997/03/17
SF小説は余り読まなかった。特にこのようなたくさんのキャラクターが出てくる戦争物は、読んでるうちに混乱するだろうと思って避けていた面が強い。しかし、そのような事はなくすいすいと、銀英伝の世界に引き込まれていった。はっきり言って、面白かった。戦争と言うものが多くの死を持って行われると言うことは、言うまでもないけれど、ここまでそれに苦悩しているヤン・ウェンリーというキャラクターに惹かれた。ラインハルトという天才の、思い切ったやり方も面白いものがあった。この小説は、戦史という流れの面白さもさることながら、英雄伝説と銘打つだけあって、キャラクターの個性という面において非常に惹かれるように感じる。しかし、フェザーンと地球の影の暗躍という面が見え隠れしているのが悪趣味で僕は好きだ。
日付:1997/03/13
ポオ小説全集1エドガー・アラン・ポオ(創元推理文庫)
短編小説とはいうものの随分と読み終えるのに時間がかかった。全体として受けた印象は、やはり悪趣味だなぁと言うところだろうか。「ハンス・プファアルの無類の冒険」「メルツェルの将棋差し」といった科学的というか、何かを解き明かすような感じの作品は、あまり悪趣味でなく非常に読みやすかった。この小説集の中にはいろいろな作品があったけれど、なんだか終わり方がパターン化しているようにも感じた。これが、解説にある「完璧すぎる点」という物から来るものなのだろうか。江戸川乱歩は、このポオにちなんでそのペンネームを付けているのだろうが、作風として似ている点は悪趣味な所ぐらいじゃないのかな、とも感じた。
日付:1997/03/11
この巻で、恐らくカイルロッドの次によく登場したキャラクターミランシャがムルトの作った疑似生命であることが解り、塵となって消えていった。このキャラクターは、よく登場したこともあって思い入れが強い面もあっただろう。消えていくのに悲しさを感じたが、劇的な演出であったとも感じた。終わりの方で再びイルダーナフがカイルロッドと同じ所に現れるが、ミランシャが居ないことに寂しさを感じる。次々に姿を消していくキャラクターが多く寂しいものがあるが、それぞれが姿を消すところの描写には満足という表現はおかしいが、納得できる。
最後にはカイルロッドが決心を固めるが、今まで以上に目標が見えているようで、あまりにも漠然としている。これからの展開には、期待させられる。
日付:1997/03/10
この話は、先に進むにつれて重苦しい雰囲気になって行くが、その苦しさに読んでいる僕自身が飲み込まれていない。それは、この巻でホー・シェンというカイルロッドと気の合うキャラクタが現れて、その二人の会話の中に安らぎのようなものを見いだすことができたからだろう。こういった所はやはりうまく書いているなぁと感じさせられる。
この巻では、カイルロッドとイルダーナフが別行動をとり、平行するように話が書かれているが、この巻を読み終わって振り返ってみると全てを、イルダーナフが操っていたような感じを受けた。主人公はカイルロッドだけど、カイルロッド達の行動は水晶玉に写っていて、それをイルダーナフが見ているような感じだ。この巻の最後で、いよいよタジェナが現れた、これからの展開が楽しみだ。
日付:1997/03/09
カイルロッドに降りかかる災厄をつれて回るような、悲劇に対して良く屈しないなぁと思う反面、最後に影の自分を見逃してしまうあたりは、やはり甘すぎると感じる。しかし、この性格がこの話を彩っていて面白くしているのはわかる。こんな性格だから、イルダーナフが愛想を尽かして去ってしまうのは当然だと思う。が、なんだかいつか再登場するだろうなぁと感じさせるのは、イルダーナフのキャラクター性の強さからだろうか。それから、イルダーナフが居なかったらこれから先の話はどうなるのだろうかという不安のような物を感じた。
日付:1997/03/09
この話の頭の方でハイドとジーキルが現れたときは、読んでいる僕の感情としてハイドはいやな奴なんだなあと感じて、ジーキルに関しては、なんだかよく解らない人物だと言うくらいしか感じなかった。しかし、読み進めていくうちにジーキルは偉大な科学者と解った。けれど、いったいどんな科学者なのかはあやふやなまま、ジーキルとハイドが同一人物と言うところにまで達してしまった。読んでみた感想としてはよく解らなかった反面、非常に引き込まれたと言うところだろうか。僕自身ジーキルのように、自分とちがう人格の自分になって暴れてみたいという気持ちはどこかに持っているから。
日付:1997/03/08
手紙モーム(角川文庫)
「手紙」という作品については、一枚の手紙によって事件の真相が180度反対の方向に向かう。というような部分も印象的ではあったが、やはり僕は女性に対する漠然とした恐怖。つまり愛を裏切るということによって、凶悪とも言える殺人を犯してしまうという女性が描かれていたことが印象的だった。
「環境の力」でも同様に女性との愛に関し、環境への順応と言えども裏切ったという行為を行った男が現れる。この男に対して僕自身が同情できるかというと、解らない。それは、そのような世界に順応していないからでもあるし、したくないからだろうと思う。
日付:1997/03/03
|
|
|
|