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1996年11月 読書ノート最終更新日:1996/11/30
ここでは私が読んだ本についての感想を公開しています。本のジャンルは「なんでもあり」です。
この巻で、円は独りぼっちというか、新しいファミリーの中へ完全に入っていく。新しい中に入るために、姉妹たちと別れを告げていく。その為に、この世界が終わることに立ち向かわなければならないのだが、それに打ち勝つための手法が恋愛なのだろうか。円は蛍以外にもたくさんの人と、恋愛というものをしていっているが、結局気持ちというものは蛍なのであり、ほかの恋愛というものはなんだか話の飾りとしておかれている。円が主人公だから良いが、小雪が主人公なら寂しい話だろうな。しかしこれが恋愛小説の基本形なんだなと改めて思ってみた。
日付:1996/11/30
読み終わってまず思ったのが、すべてが夢だったというような感じを受けたことだ。なにも夢落ちの話じゃないけれど、ファンタジー小説正にそのものといった幻想さがあった。
この小説の締めくくりとして、「循環でない世界」が始まるということがあったが、その世界が見えているということに、運命が決まっているといった寂しさを感じた。それと、「女性自立」(ゲルダ一人での進む道)という問題についていけない男性スヴェンを見るについて、僕は正直どんなに好きな人でもその人の好きな道を素直に応援できるか、自分の夢を捨てられるか、といった問いに答えを出せないし、出したくなく思える。
日付:1996/11/28
江戸川乱歩を初めて読んだけれど、なかなかグロテスクな作品が多くて読みづらいといえばそうだった。しかし、架空の物語と割り切って読むことに専念できれば、それほど苦でもない物だった。最後にある解説では、乱歩の得意に「どんでん返し」を挙げていたが、僕には確かにそういうのもあるけれど、あまりにもひどい結末へのフォローにしかなっていないのが多々あるように思える。推理小説はやはり悪趣味なものが多いが、そんなものがたくさんある世の中なので世の中も案外そうなのかと思ってみると恐ろしい。
日付:1996/11/27
いよいよ決断が実行されようとしている、そんな光景がこの巻においてに見られた。この小説が恋愛小説であるということがある上で、そこから起こった事実からの決断を迫られる。しかし迫られたといっても、迫ったのは自分だということがそこにある。ほとんど決断を迫られるということは、自分で迫っているということだ。これが余りにも当たり前だということは、言うまでもないと思う。しかし、自分がいつもそんなことで被害者の気分になっていることも、言うまでもない事実だった。
それから、俗的なことだけど、心情の描写を生理的に表すことが余りにもくどいように感じた。
日付:1996/11/18
主人公「円」がこの巻において決断を迫られ、蛍もまた決断を迫られる。恐らく蛍は、円が決断を迫られていることを知らない。そしてそのままに蛍は円に頼っていく。もちろんこの物語の主人公は円だが、蛍から見ると自分勝手な脇役をしていることに気づく。円が決断に追い込まれているのも知らず頼っていく。
そんな事から、僕が時折、自分だけが苦しいと思っている時がある。しかし目の前の誰かが苦しいと思っているかもしれない。そんな事実を再認識せずにいられなかった。
日付:1996/11/14
「現代の文学」の講義で「まだらの紐」についてふれたことからこの作品を読んでみたくなって読んでみた。シャーロックホームズは、恐らく最初に読んだことになるのだろうと思う。推理小説はあまり読まなかったが、これを読んでみて他にも読んでみようという気になった。
意外性という面で、「赤髪連盟」「唇のねじれた男」が面白かったが、このように推理を楽しむという形を中心にしている面が強いものは、推理小説を読み慣れると面白くなくなるかもしれない。逆に「ボヘミアの醜聞」「ぶなの木立」女性が冒険的に活躍している作品は、慣れとかに関わらず楽しめるだろう。また他のシャーロックホームズも読んでみようと思う。
日付:1996/11/12
読み慣れたせいか「オレンジ・ロード」そのものだという感覚は薄れてきた。おそらく、父親や伊福部といった恋敵が、次々と現れたことによって「オレンジ・ロード」の登場人物関係が崩れてきたからだろうと思う。
しかし恋愛物の小説は面白いんだけど、このメモに書くことがあまりないような気がする。しかしこれがまだ7冊続く。そしてこれ以上恋愛ものを読まないわけではない。
日付:1996/11/03
この作品が、「きまぐれオレンジ・ロード」に影響されて書かれていると聞いて読んでみたが、影響というよりそのままじゃないかと思った。キャラクターの面ではもちろん文体すらそうだった。だからだろうか、読んでいるうちに自分でオレンジ・ロードの番外編を読んでいるつもりで読んでしまった。
第一巻であるせいか非常に展開がはやいように思った。円自身の多様な形での人物像が現れてくることと、蛍と小雪の人物の変化がめまぐるしかった。このように見ると、主人公の円自身はオレンジ・ロードの主人公と似ている側面をあまり持っていないような気もする。
日付:1996/11/02
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