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ゆとり教育の失敗、考える教育への取り組み

 近頃「ゆとり教育」の失敗が世間を騒がせている。要するに「つめこみ教育」の反省として取り組んだ「ゆとり教育」は失敗であったということであるが、僕はこの問題が発生した原因は教育の「量」の議論だけを続けてきたことではないかと思う。
 「つめこみ教育」の問題が指摘されてきた時代は、小中学生が深夜まで塾に通う問題や、過酷な受験戦争などが問題視されていた。僕自身はこの時代に子供(教育を受ける側)だったので、単純に休みが増えれば嬉しいので、「ゆとり教育」に賛成という意見しか持たなかった。しかし今になってこの問題を考えてみると、「ゆとり教育」の導入が前述の2つの問題の対処法になるのかということは疑問である。
 確かに学習量を減らせば、小中学生が深夜まで勉強を続ける必要性は無くなる可能性はある。しかし、過酷な受験戦争の問題では競争率が変わるわけではない。たくさんの知識が有る者が勝つのではなく、ミスをしなかった者が勝つという、戦争のルール変更が発生するだけである。塾に通う理由が受験戦争に勝つためである仮定するならば、塾での学習スタイルが変わるだけで、結局その量は変わらないだろう。
 そもそも「つめこみ教育」の問題とは何だったのだろうか。学習の「量」の問題なのだろうか。つめこみ教育だけでは、考える力を育てることができないと言うことが問題なのだと思う。考える力を育てる教育手法として、ビジネススクールで用いられるケースメソッドと言う手法がある。この手法では、知識を理解している事を前提に、与えられた事例の問題点を洗い出し、その解決方法を考え、議論しあう。考える前提には、知識の理解は必須である。知らないことを考えることはできない。考えるためには、まず知識をつめこむ必要がある。また、ミスを恐れていては議論など始めようもない。
 このように考えると「ゆとり教育」の導入は、学習「量」の問題も解決しない上に、考える力を育てるためと考えればむしろ、逆効果だとさえ言える。考える教育を取り入れるために何が必要かと言うと「ケースメソッド(のような)教育を実施する時間」と「知識の量」である。そのためには、知識を短時間で確実につめこむ必要がある。短時間でつめこむことで「ケースメソッド教育を実施する時間」を確保する。確実につめこむことで皆が知識を理解していると言う、議論の前提を作る。
 知識を短時間で確実に詰め込むためには、たくさんの知識をスピーディに理解できるように教育の方法を見直すことが必要である。教科書だけの勉強ではなく、映像、コンピュータのシミュレーションソフト、博物館への訪問、生活で直面する問題と関連づけた教育方法など、上手に活用すればたくさんの知識をスピーディにつめこむことは可能だと思われる。
 「つめこみ教育」の問題を解決するには、つめこむ「量」ではなく、つめこむ「方法」に議論を移すことが重要である。知識の量が多いことに問題があるのではない、その知識をつめこまれることが子供達の負担になることが問題なのである。知識を効率よくつめこみ、考えるための「ゆとり」を作ることが、教育の問題解決につながると、僕は考える。

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